「今日僕手紙を全部焼いたよ」ができるまで。
 



ども。森です。
湿度の上がる季節を前に、とうとう髪を切りました。

髪って、一度「切りたい!」と思ったら最後、もう居ても立ってもいられなくなります。ところが、散髪屋さんに予約した日の朝に限って気温や湿度、前日の食事や睡眠時間など、すべての条件がピタリと一致して、その伸びた髪が最高にかっこよく決まってしまい、歯磨き中の鏡を前に、散髪屋さんの予約をキャンセルしようかどうか、居ても立ってもいられなくなります。

昔、中古車屋の知り合いが熱く語っていたのを思い出す。
乗り換える車を取りにいくために間もなくお別れの愛車を運転する日に限って
事故る確率が異常に高いんだ!
僕は話の真意よりも彼の語るその熱さが気になって気になって、
そのときはちゃんと聞いてなかったけれど、今思い出したよ。

僕の仕事で言えば、「ダメだ?」と思ったドラムのテイクに限って満面の笑みを浮かべたプロデューサーのOKが。。本人=ダメがプロデューサー=okとする空気に、まるで「業界はこんな風な決め方なんだよ?」と威圧しているようで、妙に気に障る子供な僕。

さてさて、、、

たぶん僕がトップページを担当するのは初めての事でしょう。
伊藤氏の「ファティコができるまで。」の制作手記を読んで、これは流れ的に
次は僕でしょう!と勢い込んでメンバーにコラムを買って出てからあっという間に一ヶ月。そろそろ深刻なメンバーの催促がくるであろう前に慌てて書き始めている次第です。

「今日僕手紙を全部書いたよ」。。。
別に悪意はないのですが、僕はいつも書き間違いをします。
他の曲は大丈夫。「キャンディー」と「キャンディービート」を間違ったりはしません。
今回もミックスを終えて、配信先の会社にマスターCD-Rを送付する際、
多分盤面になんのためらいも無く「今日僕手紙を全部書いたよ」と油性ペンで書いたはず。
このままのタイトルで販売されないかと、ヒヤヒヤ。夜も眠れぬ日々でした。
もちろんメンバーにも明かせず。
たぶん発売日に誰よりも先にiTunesの販売サイトに行ったのは僕だと思います。

前置き、長いですかね。。
いえ、ロボピのテキストは、特にトップのコラムは、
「長くないといけない」と聞いてます。
数年前、ライブ前夜の阿佐ヶ谷の香港料理屋さんで、とても油っこい(でも美味しい)ジャージャー麺みたいなやつを食べながらロボピのホームページの話をしていたとき、某ディレクターが、「ロボピのトップページは、文字酔いしてオエ、っとなるくらい長いので行きましょう」と。オエっ!ね。

さて本題。

「今日僕手紙を全部いたよ」は、長い年月を経て日の目を見ました。
録音はおよそ6年くらい前でしょうか、我々が結成して間もない頃に、
デモCDを作るために大阪のあるスタジオで録音したものです。
あの頃の加藤君はメンバーとはワイワイはしゃぐのに、エンジニアさんを前にすると、とたんにシュン、と10代の新人アーティストのようになっていたのが印象的でした。

ところで、この曲はこれまでのアルバム制作の中で必ず候補曲になりながら、
最終的に採用されない、という不運な曲でもありました。
ではなぜ、いつもプッシュされる曲なのに、これまで収録されなかったのでしょうか。
それは僕が闇の圧力を使ってそれを阻止していたからです。
なぜか?曲はもちろん好きだけど、できれば客席で聞きたい曲だったからです。
まずテンポが速い。しんどい。
そしてこの曲は同期がない。つまりメトロノームを聞かずにライブをするのが
不安。

皆さんご存知かも知れませんが、ロボピの曲のほとんどに同期モノといって、
メンバー演奏以外のマシンによる演奏がくっついています。
このマシン君は、盗難の恐れが極めて少ないホテルのタワー式駐車場であるにもかかわらず、伊藤君が必ず車からおろして部屋で一緒に寝るくらいの、最高待遇を受けています。
ですから、マシン君がいない曲はメンバーが一人居ない状態で演奏するようなもの。
マシン君は絶対なんです。
彼が演奏やめたら僕たちも止まる。
マシン君は絶対にブレなない。
今まで一度もテンポが走ったりモタったりした事ない。
どれだけ過酷なツアーでも彼だけは文句一つ言わずに淡々と
役割をこなすんです。

僕たちはマシン君に付いていきさえすれば、必ず間違いの無い
すばらしい音楽を残せる。
まるで、父なる大地に、母なる海に抱かれるようです。

でも僕たちもそろそろ独り立ちしないといけない。
過保護な親元で暮らす子供のように、安全な世界にいる事に、
少し不安を抱くようになりました。
間違いのない人生は遅れても、破綻の無い生活はどこか味気ないもの。

テンポがむちゃくちゃになっても、音数が減ってスカスカになっても、
僕らのその時々の生の感情がダイレクトに反映される演奏がしたくなってきたのかな。

そろそろ親離れの時期を迎えるロボピッチャーです。

森 崇

配信シリーズ第4弾 『ロボピッチャーの生』
2009/5/13 配信開始!

1.ファティコ
2.今日僕手紙を全部焼いたよ

\300(tax in)

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インパラ!(着うた(R)ダウンロード)
music.jp(着うたフル(R)ダウンロード)

 

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